商品開発セクション

ラボでの試作の繰り返しと
科学的根拠に
基づいて
商品の中身を設計する

開発研究所
2015年入社 生物機能開発学専攻 修了

01 マーケティング部が打ち出した商品コンセプトの、
味や香りを具体化する。

マーケティング部門が市場調査や商品戦略をもとに打ち出した商品コンセプトを、どんな原料を使い、どのような配合・製法で製品化するか。そうした、商品の中身を実際の形にする役割を私たち商品開発部は担っています。
目指すのは、より多くのお客様が「おいしい」と感じ、購入していただける商品の具現化ですが、そう簡単なことではありません。この難問に対してAGFは「おいしさの科学」という考えを取り入れ、ラボでの試作だけでなく、統計解析などによって「なぜお客様においしいと感じていただけるのか」を明確にする科学的根拠に則った商品設計を行っています。

担当は商品ジャンルごとに分かれており、私は最初はリキッドコーヒーのグループの一員としてチルドカップの〈トリプレッソ〉を、現在はティー開発グループでインスタントティーの開発に携わっています。中心になるのは、オフィスやレストランなどに置かれている給茶機向けの日本茶。煎茶、特上煎茶など緑茶だけでも5種類あり、お客様の嗜好の変化に応じて各商品のリニューアルや新商品の開発に取り組んでいます。

マーケティング部が打ち出した商品コンセプトの、味や香りを具体化する。

02 1商品1担当。
しかも商品開発の
一連に携わるやり甲斐の大きさ。

原料の選定に始まり、配合を考えて試作・検討を繰り返し、物性や生産性などの確認を行って中身の設計を確定し、量産化をサポート。さらに商品パッケージに表記する原料や栄養成分の内容を決めるという、商品が市場へ出るまでの一連に関われることにAGFで商品開発を担う大きな魅力があります。

リキッドコーヒーからインスタントティーへと担当商品が大きく変わり、学ぶことばかりの毎日ですが、中でも「溶解性」は苦労の1つでした。インスタントティーを使う給茶機は、ボタンを押す度にマシンの中で適量のインスタントティーと水・お湯が混ぜ合わされ、茶碗に注がれる仕組みになっています。その間わずか5〜10秒、しかも冷茶なら5℃ほどの冷水でもすぐ溶ける溶解性が求められます。最初は大きな難問に思えましたが、AGFが長年のインスタントコーヒーの開発で培った知識や技術力は想像以上の厚さなんですよね。様々な商品を経験している先輩や関係部署の人たちに相談すると、課題解決のヒントが次々に得られたのには驚きました。

03 商品開発で重要なのは「俯瞰して見る力」と
「スケジュール感覚」。

商品開発の担当者に大切なことの1つは、「自分の周囲や先々を俯瞰して見る力」だと思います。試作を繰り返して目指す味や香りを実現できたときの嬉しさは特別なものがあります。しかし製品化するためには、物性や安全性、生産性、原料コスト、法令や特許など考慮すべき点が他にも多々あるのです。そうした数多くの課題を乗り越えるためには、常に自分のアプローチに問題がないかを俯瞰して見ることが欠かせません。

そしてもう1つが「スケジュール感覚」。商品には発売日があり、それに向けて製造や営業部門は準備を進めています。開発工程においても、保存安定性の確認にこれくらいの期間が必要なので、この時期までには商品設計を決めなければならない、という期日があり、常に先を予測しながら仕事を進めるスケジュール感覚が大切になります。

様々な難関を乗り越えるからこそ、目指す味や物性に到達できたときの喜びも大きくなる。それを実感しながら日々、商品開発に取り組んでいます。

商品開発で重要なのは「俯瞰して見る力」と「スケジュール感覚」。