ニュースリリース

2012年2月22日


「〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト」発足
~ 被災した東北四県の窯元を支援し、伝統文化を全国に! ~

AGF(味の素ゼネラルフーヅ株式会社 社長 村林 誠)は、東日本大震災により被災した東北地方の一日も早い復興を願い、2012年3月1日(木)より「〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト」を発足し、被災した東北四県(青森県、岩手県、宮城県、福島県)の窯元の復興を支援します。
東北地方には様々な焼物の名産地がありますが、この度の震災で窯などの設備に影響の出てしまった窯元が数多く存在します。
AGFは、コーヒーの製造、販売に携わる企業として、コーヒーとつながりの深いコーヒーカップという“器”を通し、東北の支援を行っていきたいと考えています。
本プロジェクトは、活動資金として〈ブレンディ〉インスタントコーヒー詰め替え用袋の売上の一部を割り当て、被災した窯元の修復を支援するとともに、東北四県の焼物を紹介するキャンペーンを行います。 AGF〈ブレンディ〉は、これらの活動を通じて東北地方の伝統文化や地元産業の復興支援に協力するとともに、今後も被災地の皆様の支援に尽力してまいります。被災地の一日も早い復興を、心より祈念いたします。
「〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト」の概要は下記の通りとなります。

〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト 概要

  • (1)設備や販路に影響が出た4窯元の“器”(コーヒーカップ)をプレゼントとして全国に紹介します。(3-4月)
  • (2)被災して一部使用出来なくなった3窯元の窯の修復を支援します。
    • ・窯の修復後「火入れ式」を実施致します。(5-8月予定)
    • ・修復終了後に焼上がった“器”(コーヒーカップ)を全国の皆様にプレゼントします。(9月以降予定)
  • ※支援先となる7窯元は、地元新聞記者に聞き取りを行い、窯元の被害状況を考慮して選定致しました。

〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト キャンペーン 概要

・第一弾

名称 つながる絆! 東北伝統の“器”プレゼント
支援対象

施設や販路に影響が出た窯元

  • ・福島県 大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)
  • ・宮城県 末家焼(ばっけやき)
    加藤ひろ子氏(ひろ窯・文麓庵)
    宮城県岩沼市北長谷字畑向山南18
  • ・青森県 八戸焼(はちのへやき)
    渡辺真樹氏(昭山窯 渡辺陶房)
    青森県八戸市上野字上野平33-6
  • ・岩手県 台焼(だいやき)
    杉村峰秀氏
    岩手県花巻市湯元第2地割9番地2
支援内容 窯元の全国への認知拡大を図る。
実施期間 2012年3月1日(木)~4月27日(金)
キャンペーン内容 上記4窯元で制作したコーヒーカップ&ソーサー(2客セット)を100名様にプレゼント
応募方法 専用Webサイトの応募フォームより応援メッセージを入力し、申し込み ※メッセージの入力は任意
本キャンペーンでお預かりした応援メッセージは、支援先の窯元の皆様へお届けします。

・第二弾

名称 つながる絆! 窯の修復記念“器”プレゼント
支援対象

修復支援を行う窯元

  • ・ 福島県 会津本郷焼(あいづほんごうやき)
    宗像利浩氏(宗像窯)
    福島県大沼郡会津美里町字本郷上3115番地
  • ・ 宮城県 堤焼(つつみやき)
    針生乾馬氏(乾馬窯)
    宮城県仙台市泉区上谷刈赤坂8-4
  • ・ 青森県 名久井焼(なくいやき)
    砂庭大門氏(南部名久井焼)
    青森県三戸郡南部町平前ノ沢59番地
支援内容 被災した一部の窯の修復を支援。
実施期間 2012年秋以降予定
キャンペーン内容 修復した上記3つの窯元で制作したコーヒーカップ&ソーサー(2客セット)を120名様にプレゼント
応募方法 専用Webサイトの応募フォームより応援メッセージを入力し、申し込み ※メッセージの入力は任意。
本キャンペーンでお預かりした応援メッセージは、支援先の窯元の皆様へお届けします。
活動スケジュール予定
  3月1日(木) 第一弾キャンペーン開始
  3月上旬 窯の復興作業開始
  5~8月 火入れ式
  9月以降 コーヒーカップ作成
第二弾キャンペーン開始、活動成果報告
  ※復興状況によりスケジュールは変わる可能性があります。

〈ブレンディ〉東北 器の絆プロジェクト 支援対象となる焼物

青森県 八戸焼
八戸焼は、江戸時代末期まで八戸市内の蟹沢山中で焼かれていた焼物。現在の八戸焼は昭和50年に窯元初代渡辺昭山の手によって再興されたものです。蟹沢山中にて奇跡的に窯跡が発見され、出土した陶片を参考に試行錯誤の後、独自の八戸焼が作り出されました。青森の大自然に育まれたブナの色、または、三陸の荒波に揉まれた海藻の色とされる独自の緑釉が施されています。震災により、使用していた新窯と作品が破損してしまい、代用の窯で制作を行っている状況です。

岩手県 台焼
台焼は岩手県花巻市、花巻温泉郷の一角、台温泉近辺にて焼かれる陶磁器です。明治中期、寒国の風土にも堪える強さと焼き物としての味わいのある製品をつくり出すことに成功し誕生しました。やや鈍色の白い器肌で、それに染付や釉薬を用いて意匠をつくる台焼からは、民芸品らしい趣が感じられます。中でも白磁器は大正11年の平和博覧会で入賞し、その代表作は花巻市の文化財ともなっています。震災により作品の一部が破損してしまいました。

宮城県 末家焼
末家焼は亘理町旧末家地区(現亘理町先達前)付近の陶土を使った焼き物です。始まりは元禄時代、亘理伊達家の御庭焼。廃窯と復興を繰り返し、昭和60年に亘理町長瀞に京都で修行した加藤ひろ子氏とその夫、丈夫氏が窯を築き、末家焼窯元・ひろ窯として現在に至ります。津波により窯、作業場が崩壊し、土、道具、上薬の研究データを失ってしまいました。現在は御友人の窯を借りて制作活動をつづけている状況です。

福島県 大堀相馬焼
大堀相馬焼は、福島県双葉郡浪江町大字大堀地区でつくられる焼物。素朴な味わいの中にぬくもりと親しみのこもった優しさを感じる、強い個性を持った焼物です。350年もの歴史を受け継ぎ今も25軒の窯元がつくり続けていますが、震災により窯元は離散。現在は二本松市内の工業団地に移設し、仮設店舗をつくる準備が進められており、復旧を目指しています。

青森県 名久井焼
南部名久井焼は、昭和52年青森県南部町に発祥した陶器工房です。手びねり成型による作品の独自性や五段式の登り窯が評価され話題を呼びました。制作はすべて手作業、オリジナル釉薬や独自の粘土の開発を行うなど、先代が開発した技法を継承した二代目によって時代に囚われないデザインが目指されています。震災により窯が破損し、現在は登り窯を稼働できない状況です。

宮城県 堤焼
江戸時代17世紀末から始まり、300年以上伝承されている堤焼。皿や湯のみなど、素朴な日用品を中心とする仙台ゆかりの焼物です。黒釉(こくゆう)に糠白(ぬかじろ) 釉を奔放に流し掛けした、海鼠(なまこ)釉が特徴で、仙台でとれる良質な粘土が使用されています。唯一、伝統と技を受け継ぎ今に伝えている堤焼乾馬窯ですが、震災後はレンガの破損や土台の傾きにより一部の窯が使用不可能になっています。

福島県 会津本郷焼
会津本郷焼とは、福島県会津美里町(旧会津本郷町)周辺を産地とする陶器及び陶磁器のことです。1593年に領主である蒲生氏郷が鶴ヶ城の屋根瓦を製造させたのが始まりです。現在 17の窯元があり、東北2位の規模を誇ります。飴色に輝く飴釉を使って作られる陶器は、古くからにしんの山椒漬け専用の「にしん鉢」で知られています。現在は、震災の影響により、登り窯が稼働停止状態となっています。

窯元の被災状況(会津本郷焼)