コーヒー大事典
コーヒーの美味しさを知るために、ぜひ植物としてのコーヒーにもご注目ください。第3回は、世界に点在している主なコーヒーの産地についてご紹介します。
コーヒーの木を知っていますか?コーヒーの産地
アメリカ大陸周辺の生産国
まず南北アメリカ大陸とその周辺のコーヒー産地を見ていきましょう。
コーヒーの最大の生産国は南米のブラジルで、世界で消費されるコーヒーの約3分の1が収穫されます。ブラジルのサントス港から出荷される<ブラジル・サントス>は、雑味のない香ばしい風味が特徴です。
ブラジルの北、中米のコロンビアは、収穫量が世界第三位。コロンビアで取れるコーヒー豆は、やわらかい酸味と豊かな風味が特徴。味わいのバランスが良く、マイルドコーヒーの代表格です。また、コロンビア周辺のグアテマラ、コスタリカ、ホンジュラス、メキシコ、ペルーなどでも、コロンビアに似た高品質なコーヒーが収穫されます。
さらにカリブ海に浮かぶ島国、ジャマイカでもコーヒーが採れます。ジャマイカにはブルーマウンテンと呼ばれる山があり、そこで収穫されたコーヒーが、有名な<ブルーマウンテンコーヒー>です。
広大な国土を持つアメリカでコーヒーの木を栽培しているのは、意外にもハワイ州のみ。ハワイで採れるコーヒーは、爽やかで豊かな酸味と甘い香りが特徴です。
アフリカ・アジアの生産国
次にアフリカ大陸に目を向けてみましょう。まずコーヒー発祥の地、エチオピアははずせません。エチオピアで採れるコーヒーは「モカ」と呼ばれ、フルーツのような甘酸っぱい香りが特徴です。
エチオピアの南には、ケニアとタンザニアという二つの国があります。そして、タンザニアの、ケニアとの国境近くに、かの有名なキリマンジャロ山があります。このキリマンジャロ山の裾野で採れるのが<キリマンジャロコーヒー>。強い酸味とコク、甘い香りが特徴です。ケニアでも、キリマンジャロコーヒーと同様の、素晴らしい品質のコーヒーが採れます。
アジアへ目を移すと、収穫量世界第二位のベトナムが目に入ります。ベトナムのコーヒーは、苦味と渋み、香りが強い一方で、酸味が控えめであることが特徴です。また、インドネシアのスマトラ島では、独特の苦味と風味、滑らかな味と濃厚なコクが楽しめる<マンデリンコーヒー>が採れます。また、同じインドネシアのジャワ島では、<ジャワロブスタ>が有名。ちなみにインドネシアは、収穫量世界第四位です。ベトナムやインドネシア以外にも、インドやパプアニューギニアも、重要なコーヒーの産地として成長しつつあります。