執筆:2025年1月
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2024年7月、味の素AGF(株)(以下、味の素AGF)は群馬県太田市を拠点とするプロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」とオフィシャルパートナー契約を締結しました。きっかけとなったのは「地域のために何かできないか」という味の素AGF関東支店(以下、関東支店)のメンバーの想いでした。今回のストーリーでは「群馬を盛り上げたい」という情熱が次第に広まる臨場感をお届けします。
それぞれの地域への想いが一つになる
群馬クレインサンダーズは、群馬県を象徴する「鶴」と「雷」に由来するプロバスケットボールチームで、「バスケで群馬を熱くする」を理念に2011年に設立されました。2020~2021シーズンではB2東地区優勝からプレーオフも優勝し、B1リーグへと昇格。2023年には新しいホームアリーナも完成し、2026~2027シーズンには新リーグのBリーグの新たな最上位カテゴリー「B.LEAGUE PREMIER」にも参入が決定しています。また、群馬クレインサンダーズは競技成績などの“オンコート”での活躍のみならず、“オフコート”でも地域に貢献しようと、独自の社会貢献活動プロジェクト「CRANE THUNDERS ONGAESHI」で地球環境の保護、地域社会の支援、平和の推進にも積極的に取り組んでいます。
一方、味の素AGFもまた、これまで事業を通じて社会や地域の課題などに取り組んできました。「AGF®ブレンディ®の森」群馬は、AGFグループの製造拠点であるAGF関東㈱(以下、AGF関東)の工場が水源として利用する利根川上流部の森づくりの活動です。そこには社員が関わり、また地元のお客さまの自然体験&工場見学ツアーなども実施してきました。
それぞれに地域への熱い想いを持っていた両者が出会うことになったのは、関東支店のメンバーが「地域のために何か一緒にできないか。まずお話をお聞きしたい」と、群馬クレインサンダーズに訪問したことがはじまりでした。主体的に動いたメンバーの一人である吉田さんは、当時のことを次のように語りました。
吉田さん
群馬クレインサンダーズのご担当者に来社いただいた際に、チームや群馬への思いを熱くお話いただき、私たちが掲げていた群馬県エリアでの活動や社会貢献活動についても熱く語り合ったのが強く印象に残っています。その結果、2024年1月にチームのホームアリーナで開催されたSDGsのイベントに、味の素AGFがブースを出展することになりました。発売直前の「ブレンディ®」マイボトルスティックのPRを選手の皆さんにも協力していただき、パートナーシップの話題が本格化する前から連携の機会を増やしていきました。
両者の距離が次第に縮まっていく中、ある雑談の中で群馬クレインサンダーズの選手に味の素AGFの社員と同級生、それも同じ部活だったことなどが分かりました。吉田さんたちは「ご縁がある」とはこのことだと思い、さらに群馬クレインサンダーズの存在を身近に感じていったようです。
しかし営業活動を主とする支社だけで、この連携をさらに発展させていくには限界があったのも事実。吉田さんとともに関東支店で、この協力関係を次のステップに進めたいと考えていた上長の伊藤さんは、社内で頼りになる入社38年目の大ベテランであり広報の経験もあるファンマーケティング推進部の杉山さんに相談を持ちかけました。
杉山さん
当初、島本社長からも契約面でフォローしてくれないかといったオファーが事前にありました。伊藤さんも吉田さんも群馬クレインサンダーズとの協力関係の構築に燃えていましたし、私もプロスポーツチームと一緒になって地域を盛り上げていく活動はとても魅力的だと思いました。企業としての広報や営業面での期待もさることながら、社会や地域に貢献するASV活動※として大きな価値があると考えています。契約に関しては、吉田さんたちがすでに群馬クレインサンダーズと良い関係を築いていたこともあり、2か月後にはオフィシャルパートナー契約を締結するというスピーディーな展開となりました。
- ASV活動とは、味の素グループが取り組むASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)。これはいわゆる企業活動におけるの CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)のことで、売上や利益追求だけでなく、事業を通じて社会や地域の課題などに取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、新たな経済的な価値も創造されることを意味します。
プロ選手と過ごす特別な時間を地域の皆さんと分かち合う
2024年9月16日、群馬クレインサンダーズとの契約締結後初めての地域社会貢献イベントとして味の素AGFとAGF関東の協賛により、県内のスポーツ施設でバスケットボールクリニックと車いすバスケの体験会を開催しました。
二部構成となるこの体験会では、まず第一部としてバスケットボールクリニックが行われました。群馬クレインサンダーズ所属の辻直人選手と野本建吾選手が参加して、県立太田特別支援学校の児童・生徒(小・中学生)とボールを使ったレクリエーションやミニゲームなどが行われ、バスケットボールの楽しさを分かち合う時間となりました。そして第二部では、車椅子バスケットボールの地元チーム「群馬マジック」の選手と一緒に参加者が車椅子バスケットボールを体験。パラリンピック直後の開催だったこともあり、一般公募で参加された24名の方はみなさん熱心な様子でした。車いすの操作から簡単な試合までを体験しながら、障がい者や車いすバスケへの理解を深めていました。
イベントに立ち合っていたAGF関東 管理部の橋本さんは、この日のことを次のように振り返ります。
橋本さん
県立太田特別支援学校に今回のイベントのお声がけをした際、先生方はたいへん積極的に参加の意欲を示してくださいました。
イベント当日は楽しそうにボールを追う皆さまの笑顔とそれをうれしそうに見守るご両親の姿にこちらも温かい気持ちになりましたし、同時に地域の方々のお役に立てていることを実感し、私もとてもうれしかったです。
バスケを通じて、地域の身近な存在に
9月のイベント終了後の10月、Bリーグのシーズンが開幕しました。2020~21シーズンでは、B2東地区優勝とプレーオフ優勝でB1リーグ昇格を果たしたこともあり、地元太田市は今シーズンもバスケ熱で盛り上がっています。
吉田さん
群馬クレインサンダーズのホームゲームでは試合のタイムアウト時、客席に向けてプレゼントを打ち込む「バズーカタイム」を実施しているのですが、そのプレゼントとして当社の商品も使っていただいています。群馬クレインサンダーズはファンへの発信力も高いので、今回のオフィシャルパートナー契約をきっかけとして群馬県の皆さまに味の素AGFを身近な存在として感じていただければとうれしいと思っています。
群馬クレインサンダーズと味の素AGFのパートナーシップは、今後も選手参加型の「バスケットボール教室」、あるいは「AGF®ブレンディ®森活動」など地域社会への貢献をより発展させるものです。
群馬クレインサンダーズと味の素AGFのパートナーシップが今後どう「群馬を熱く」していけるか。地元の方々と力を合わせていきたいと思います。そして、皆さまも一緒に群馬クレインサンダーズを応援していただけるとうれしいです。
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