コーヒー大事典
コーヒーの淹れ方にはちょっとこだわりたい・・・そんな方が増えてきたようです。また、アウトドアブームの影響で、キャンプ場などの野外でコーヒーを楽しむ人も見かけるようになりました。
一方で、コーヒー器具にはさまざまな種類や、それぞれに異なる特性があります。ここでは、ご家庭やアウトドアシーンでもおいしいコーヒーを入れるための、さまざまなコーヒー器具をご紹介します。
ネルドリップ
「ネルドリップ」とは、綿のフィルターを通してコーヒーを抽出する方法です。「ネル」とは、「フランネル(起毛した毛織物の生地)」のことを指しています。「ネルシャツ」という言葉でもお馴染みですね。ネルドリップは、コーヒーの持つ旨味、風味をもっとも引き出せる淹れ方と言われており、粗挽き、または中挽きのコーヒーがむいています。
ネルドリップでコーヒーを入れるために、最初に行うのは「ネルフィルターを煮る」こと。新品のネルフィルターには糊やゴミが付着していることがあるため、軽く水洗いしてから、コーヒー豆を少量入れたお湯で、20分ほど煮る必要があるのです。
ネルを煮たら、水気をとって、サーバーにセット。ネルにコーヒーの粉を入れて、お湯を注ぎ抽出します。最初に少量のお湯をコーヒー全体に注ぎ、少し蒸らすことでコーヒーのおいしさをより一層引き出せるとされています。
ただ、ペーパードリップほど見ることが少ないのは、「お手入れ」が大変なため。ネルは繰り返し使うことが可能ですが、匂いが移りやすかったり、コーヒーの持つ油分がついてしまうため、毎回使用後はお湯で煮て、冷水を入れた用器で冷蔵庫などで保管する必要があります。そのため、ペーパードリップが普及してからは、一般家庭ではあまり見かけることはなくなりましたが、コーヒー愛好家には非常に人気のある淹れ方です。