コーヒー大事典
世界各地で作られる個性豊かなコーヒー豆。そのコーヒー豆を組み合わせて、より重層的な味わいを生み出す技法が<ブレンド>です。
コーヒー豆AtoZコーヒーのブレンド
数種類の豆を混ぜ合わせるブレンド
<収穫><精選><焙煎>などのページでご説明したとおり、コーヒー豆の産地によって、そこから生まれるコーヒーの味や香りは異なります。また、同じ産地のコーヒー豆であっても、焙煎(ばいせん)の仕方を変えると、その風味は大きく変化します。つまり、産地と焙煎方法の組合せによって、コーヒーのフレーバー・バリエーションは非常に多くなるのです。これをたくみに組み合わせて、複雑な味わいを生み出す作業が<ブレンド>です。
ブレンドの3つの目的
ブレンドには大きく3つの目的があります。
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1)各豆が持つ特徴、良さを引き出す。
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2)飲み物としての、味や香りの調和をはかる。
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3)飲む人の好みに合った風味・香りに仕上げる。
たとえば、キリマンジャロコーヒーはフローラルな甘い香りが強く、味わいにもコクがあります。しかし酸味もかなり強いため、酸味が苦手な方にはくせが強すぎて飲みにくい品種です。ここに、ブラジルなどの酸味が控えめの品種をブレンドすることで、キリマンジャロコーヒーのフローラルな甘い香りとコクを生かしながら、酸味が抑えられた、味わいのバランスが取れたコーヒーが生まれます。このように、それぞれのコーヒー豆の個性を生かしながら、新たな味わいを生み出すのが、「ブレンド」なのです。
コーヒー・トリビア
ブレンドコーヒーとストレートコーヒーの違い
それぞれの豆の良さを生かしながら、数種類の豆を混ぜ合わせるブレンド。このブレンドという過程を経たコーヒーが「ブレンドコーヒー」です。2種類以上の豆を組み合わせ、風味を調和させることで、1種類のコーヒー豆だけでは実現できない、複雑な味わいを楽しめます。
逆に、1種類の焙煎豆(ばいせんまめ)のみで作るコーヒーを「ストレートコーヒー」といいます。現在、日本でストレートコーヒーとして飲用されているのは「ブルーマウンテン」「モカ」「キリマンジャロ」「マンデリン」などが中心です。ストレートコーヒーは1種類の豆だけを使って淹れられることから、その産地独特の味や香りが、強く際だちます。