執筆:2025年6月
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東北地方は、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県を指し、総面積は66,889㎢に及び、国土のおよそ18%を占めます。東に太平洋、西に日本海を臨み、中央には南北に連なる雄大な奥羽山脈が走ります。さらに、青森県と秋田県にまたがる白神山地や、岩手県の北上高地、福島県の阿武隈高地など、地形が織りなす豊かな山々に恵まれ、森林率は約70%にも及びます。
こうした貴重な自然環境を未来に引き継ぐため、東北各地の自治体では、環境保全への取り組みが積極的に進められています。
今回は脱プラスチックを推進する自治体と味の素AGF株式会社(以下、味の素AGF)東北支社とが連携したエピソードをご紹介します。
目次
【秋田県】多くの県民がマイボトルを持参。自治体との取り組みのロールモデルに
東北における行政との協働の原点は、秋田県にあります。過去2年にわたって秋田県とマイボトル推進運動として、秋田県オリジナルマイボトルを抽選でプレゼントする店頭キャンペーンやエコ関連イベントである「あきたエコフェス」に出展し、試飲会などを実施しました。こうした地道な取り組みを2年続けた結果、今では多くの県民がマイボトルを持参しています。秋田県における取り組みは、県民に一定の浸透がなされたと評価されました。
秋田県で行った取り組み
秋田県での協働事例は、山形県や宮城県など、他の自治体での取り組みの参考となり、マイボトル推進活動を広げるきっかけとなっています。
【山形県】カーボンニュートラル社会の実現に向けて。自治体と企業の想いが重なった挑戦
山形県は、持続的発展が可能な豊かで美しい地域を目指し、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンやまがた2050」を2020年8月に宣言。その翌年には「第4次山形県環境計画」を策定し、県民一丸となって環境課題の解決に取り組んでいました。その中で、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、使い捨てプラスチック容器の使用抑制によるプラスチックごみ削減のため、「持ち歩こう!マイボトル運動」を展開し、マイボトルの利用促進に取り組んでいました。
東北支社では、山形県が目指す「ごみゼロやまがた」のビジョンと、味の素AGFが推進する「マイボトル運動」キャンペーンの想いが深く重なり合うことに共感しました。その後、連携先を探していた山形県環境エネルギー部循環型社会推進課からお声がけをいただき、県民にマイボトル持参を促すキャンペーンが本格的にスタートしました。
山形県で行った取り組み
キャンペーンでは、店頭でQRコードを読み取ってアンケートに答えるとオリジナルマイボトルを抽選でプレゼントするというものでした。2024年度には、山形県内の12企業、154店舗でキャンペーンを実施し、2025年度には活動が続き、15企業、311店舗へと拡大する予定となっています。
山形県環境エネルギー部循環型社会推進課 早坂さん
マイボトル向けの商品があることや、これまでの他の自治体や事業者との取り組み実績を活かした味の素AGFさんの提案には、大きな期待を寄せていました。結果として、県民へのプラスチックごみ削減の啓発への大きな力となったと感じています
お互いの目指す方向性の共有から始まり、関係する事業者のみなさんをも巻き込み、信頼関係を築いてきたことで、カーボンニュートラル社会の実現に向けて連携が強固なものになっています。
【宮城県】「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050」へ。県民とともに進める脱炭素社会への第一歩
「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050」をキャッチフレーズに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議 事務局
いろいろな立場の方が幅広く連携し、温室効果ガスをできるだけ排出しない暮らしや事業活動をオールみやぎで推進することを目的に令和5年11月「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050県民会議」という産学官民連携組織を設立しました。
県民会議では、身近にできる脱炭素ライフの一つとして「マイボトル利用」を推進するとともに県民会議会員の皆様による取り組みの推進に力を入れています。今回、味の素AGF(株)様で取り組まれている「エシカル消費」の活動がマッチしたことから他の団体会員の方とも連携してキャンペーンに取り組むこととなりました。
連携が本格化したのは2024年9月。東北支社では過去に仙台市との間でイベントを共催した実績がありました。
今回新たに連携することになったのは宮城県ですが、実は担当者の方がこの仙台市とのイベントに参加し、味の素AGF のブースを訪れたことがきっかけとなったのです。「こうした取り組みを、ぜひ宮城県全体でも一緒に」との声がかかり、連携がスタートすることになりました。
宮城県で行った取り組み
現在は、県民会議の一員として、他の参画企業や団体とともに意見交換を行いながら、「マイボトル利用」を推進する協働プロジェクトに参加中です。今回の活動は、2025年6〜8月にかけて県内キャンペーンを実施するものです。宮城県内の小売店舗と連携しながら、店頭POPにて動画を視聴いただき、アンケートにご協力いただいたお客様に抽選で宮城県オリジナルのタンブラーが当たる企画です。アンケート内容や動画のわかりやすさ、実施時期の調整まで、地域や県民会議に参画している他団体の方々と課題に向き合いながら丁寧な準備が行われました。
自治体、企業、生活者が一丸となって取り組まなければ、ゼロカーボンの未来の実現は難しく、今まさにみんなで一歩を踏み出そうとしているところです。
味の素AGFとして描く、自治体連携への期待
自治体との連携を現場で主導的に進めてきたのは、東北支社 営業企画グループの小川さんと福田さんです。ともに東北支社に赴任して日が浅いながらも、地域に親しみ、地元のみなさんとの信頼構築に力を注いでいます。
小川さん
自治体の方々も、何か始めなければならないという想いがあっても、「どう始めればいいか」などと迷われるケースが多い。だからこそ、味の素AGFの「ブレンディ®」 マイボトルスティックという、誰にでもわかりやすい商品がカギになると感じています
福田さん
自治体との連携であっても、小売店様との信頼関係やご協力があってこそ実現できるものです。お取引先や地域のみなさんとのつながりを大切に、信頼を重ねながら、環境に良い取り組みを広げていきたいと思います
営業戦略部の野村さんは、支社とともに自治体との取り組みを企画面で推進してきました。
野村さん
2022年に掲げた「47都道府県との連携を目指す」というビジョンに向けて、現在、各自治体へのアプローチを進めています。自治体との連携というとハードルが高く感じるかもしれませんが、大事なのは「地域にいる企業として何ができるか」を主体的に考えることです。味の素AGFからの提案や紹介を通じて、地域との関係構築を進めています。地域には、志を同じくする多くのパートナーがいます。そうしたパートナーと協力しながら、「ココロとカラダの健康」という味の素AGFの志を届けていきたいと思っています。
自治体と、企業と、地域の人々と。
小さな共感と協力の積み重ねが、身近な環境を大切にする心を育んでいくと考え、これからも積極的に行動してまいります。
- 組織名や所属、肩書、業務内容、商品情報等を含むすべての記載内容は、各取材及び執筆時点のものです。
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