AGF®ストーリー

AGF®で働く人たち

「これまで」を築き上げてきた人たちも
「これから」を築いていく人たちも
みんなを紡ぐ50周年記念プロジェクト

執筆:2023年9月

読了目安:約10分

1973年に設立された味の素AGF(株)(以下、AGF)は、2023年8月1日に50周年を迎えました。

それを記念した式典で、AGFグループ社員が繋がる参加型イベントとしてギネス世界記録「オンラインで同時にコーヒーを作った最多人数」への挑戦が行われました。その結果、同時に690人がコーヒーを作ったと認められ、ギネス世界記録に認定!成功に終わりました。

今回のストーリーでは、50周年を迎える前年に立ち上がったプロジェクトチームの活動記録とメンバーたちの想いに迫ります。

※当日会場の様子

スタートは「全員が楽しめるものにしよう」

2022年秋ごろ、社長の「来年50周年を迎えるにあたり、何かできないか」という言葉を皮切りに社内で検討がはじまりました。ここで重視されたのは「一部の部署が考えたものを一方的に提示するのではなく、会社のみんなで作るものにする」ということでした。

同年10月、営業・開発・生産など様々な部署から10人のプロジェクトメンバーが選ばれ、始動することになりました。コロナ禍であることやメンバーの活動拠点が全国各地であることなどから、オンライン会議を中心に進められ、結果として10人全員が対面で揃ったのは50周年記念式典の前日でした。

塩尻さん:

最初オンライン会議で集まったときは、初対面の人もいたので全体的に硬い雰囲気でしたね。

上田さん:

最初の方の会議は「まず仲良くなりましょう」という雰囲気。雑談のような感じでスタートし、そうしているうちに「こんなことできたら面白いよね」とアイデアがぽつぽつ出てくるようになりました。

加藤さん:

OBの方にも「良かった」と思ってもらえる企画にしたいという意見もありましたね。それを聞いたときには、結構壮大な企画になりそうだと感じました。

高橋さん:

キックオフ当時はまだ50周年を翌年に控えた2022年だったので、ゆるりとした印象でした。その雰囲気が加速したのは、担当を決めて各チームで取り組みはじめた頃でした。

「AGFらしさ」を込めた企画それぞれが自律的に始動

50周年記念品(ギフトボックス、タンブラー、スティックブラック)

◆記念品(ギフトボックス 担当:上田さん)

上田さん:

なるべくシンプルでコンパクトなものにしたいと考えました。会社としてもサステナビリティを推進しているので、なるべくゴミが出ないようにパッケージを担当する取引先と協議を重ねました。
「味の素AGF(株)は今年で50周年を迎えます」というメッセージには、記念品に込めた想いやこれまで当社に関わったすべての方への感謝、これから会社が向かう方向性などを表現したかったので、一語一句を丁寧に選んでいきました。
チームメンバーとはほぼ毎日のように打ち合わせをしていました。忙しい日々でしたが、自分の想いを反映できる仕事に喜びを感じ、また生産性高く仕事ができると肌で感じました。

◆記念品(タンブラー 担当:髙橋さん)

髙橋さん:

社長から「コーヒーをスタイリッシュに見せていきたい」というメッセージがあり、その実現に挑戦してみたいと思いました。早速チームで「スタイリッシュって何?」から議論をはじめ、飲み方や持ち方など、さまざまなコンテキストの中でスタイリッシュを表現できそうだと意見を出し合いました。
インスタントコーヒーを選定するとなると、やはり持ち運べる特徴を引き出せるタンブラーが候補に挙がりました。オフィスにあるコーヒーマシンでも使えるものがいいだろうということになり、いろいろなサイズを検討した結果、最終的にはコーヒーにも使えるように設計されたスープジャーと同等の仕様のものを選定しました。

◆記念品(スティックブラック 担当:塩尻さん)

塩尻さん:

ボトルとスティックブラックをセットにすることで、コーポレートスローガンである「いつでも、ふぅ。」を多くの人に体感してもらえるのではと思いました。
大きなコンセプトが、50年を築き上げてきた人に感謝するとともに、これからの50年、100年先に向けてみんなが前向きになれるようにしようというもの。商品の設計も未来に向かって希望を持てるものにしたいと考えました。
一番重視したテーマは「サステナブル」です。バウ農園は当社がサステナブル調達を進める上で欠かせないパートナー。その豆を使い、AGFグループが築き上げてきた技術を結集させ、バウ農園の豆のおいしさを最大限に引き出す。取引先やOBの方などにお配りすることで、未来への希望を感じていただきたいと思いました。

◆50周年記念式典 ギネス世界記録(担当:森さん、髙橋さん)

髙橋さん:

ギネス世界記録に挑戦するにあたり、外部との調整を担当したのは森さん。ネットワーク関係などの社内調整担当は私でした。

森さん:

ギネス世界記録の厳しい審査をクリアするために、挑戦手順を工夫したり、練習会を開催したりしました。事前準備には苦戦しましたが、たくさんの方の協力を得られました。

髙橋さん:

同時接続に関する事前の検証に関して、ビデオ会議システムの状態はデータ上、問題なかったのですが、約1000人が同時につなぐ環境は当日しか実装できません…。そのため、式典が終わるまでハラハラしていました。

森さん:

全員で一斉にコーヒーを作る様子は圧巻でしたね。チャレンジの時は緊張感があったので、その後に「ふぅ」と飲んだコーヒーのおいしさは忘れられません。

◆ビデオ会議システムの背景画像(担当:伊藤さん、栗田さん)

伊藤さん:

「皆さんにビデオ会議システムに背景を使っていただくことで、50周年の歴史を堅苦しくなく振り返ってもらいたい」とか、「『昔、こんな商品を作っていたんだよ』、『過去にこんな取り組みをしていたから今があるんだよ』など、過去を知らない若手社員にも関心を持ってもらいたい」と栗田さんと話していました。

栗田さん:

デザインは「商品」「これまでの思い出」「その他」の3テーマで、全50種類のデザイン。「商品」テーマでは、この50年で当社のターニングポイントとなった商品を選びたいと考えていました。でも私はキャリア入社で、さらには私が生まれる前の商品もあり、わからないことだらけでした。そのため、さまざまな部署の方に情報や画像の提供などの協力いただきながらデザインを決めていきました。

伊藤さん:

特に商品に関しては、情報を探していく中で過去のアイデアを今後に生かせそうなものも多かったですね。

栗田さん:

当社がペットフードを製造していたことは知っていましたが、実際に過去の社内報の記事を見ていたら、犬が記者会に同席している写真が出てきました。「うちの会社って、自由でいいな」と改めて感じました。

◆社外向け記念誌(担当:平手さん、宇澤さん、手嶋さん)

平手さん:

記念誌は一般的に分厚く辞書の様な形態になりがちですが、今回作ったものは受け取った人に読んで頂ける文量を意識し、コンパクトに仕上げました。お取引先から「このコンパクトさが良いね」とお声を頂いた時はとても嬉しかったです。

宇澤さん:

当社の公式ウェブサイトにも沿革はありますが、主にコーヒーが中心です。今回はドンパッチなどAGFの歴史には欠かせない商品も掲載することにしました。掲載する商品やエピソードとして適切な内容か、情報は正しいかなどを調べ、確認する過程が思いのほか大変でした。完成した記念誌を改めて眺めてみると、AGFの歴史が長く続き、その礎の上に現在があることを実感して感慨深いものがありました。

手嶋さん:

AGFは、今まで様々な商品を開発してきたと知ってはいたものの、思った以上に商品数が多く、一つ一つに歴史を感じられるものばかりでした。宇澤さんがおっしゃっているように、商品情報が正しいかを調べる工程が一番大変でしたが、チームで協力しながら進めていったことはとても思い出に残っています。

◆社内向け記念誌(担当:加藤さん、田中さん、池田さん)

加藤さん:

キックオフ後のアイデアだしのときに、「過去のチャレンジをまとめた五十音かるたを作りたい」「歴代社長の話を聞きたい」「モザイクアートをやりたい」などがありましたので、できる限り社内向けの記念誌で取り入れようということになりました。

池田さん:

最初はモザイクアートにするつもりで、社員から「あなたにとってコーヒーとのつながりを表現する写真は?」と題して募集しました。最初はそんなに集まらないかもと不安でしたが、古い写真などを含めたくさん集まったんです。一点一点がとても良い写真だったので小さくするのがもったいないと考えるようになり、コラージュのスタイルに変更することにしました。

田中さん:

歴代社長へのインタビューは、質問項目を事前に社内アンケートで募集して、皆さんから寄せられたものから選びました。社員の皆さんが作る企画にしたかったので、こだわったポイントです。

加藤さん:

過去にチャレンジしてきたエピソードを「Challenged Story」としてまとめたいという想いがありました。社内向け記念誌では失敗談も含めてチャレンジした記録を残し、今現在チャレンジしようとしている人の勇気につながれば…と。そういう期待も込めました。

50周年を新たなスタートに

50周年記念プロジェクトに参加したメンバーは、互いに企画のアイデアを持ち寄り、自ら企画の詳細を考え、情報や素材を収集するなどの経験を経て、AGFグループに関わったたくさんの方々の想いや努力に触れることができたようです。
過去への理解が深まったメンバーからは、未来に向けた期待や抱負の言葉も聞こえてきます。

伊藤さん:

今回のプロジェクトを通じて、先輩方の血と汗と涙に触れ、「いろいろな過程を経て作り上げられてきた会社なんだ」と実感する機会になりました。この歴史を途絶えさせてはいけないし、より一層、会社を良くしていきたいとも思います。

栗田さん:

商品の軌跡を知り、AGFグループはチャレンジをしてきた会社だということを感じたので、これを「AGFらしさ」としてチャレンジする精神を受け継いでいきたいです。

加藤さん:

AGFグループのDNAをみんなで認識したことで、「ここからさらなるチャレンジの芽が出て、成長を加速させることができた」と10年後も語れるようにしていきたいです。最後に、50周年記念プロジェクトにあたり、いろいろなリソースを会社が提供してくださいました。プロジェクトメンバーがやりたいと言ったことを実現できたのも、会社のコミットメントがあったからこそだと思います。

50周年記念プロジェクトでチームリーダーを任された平手さんは、22年秋からはじまったこのプロジェクトを次のように振り返り、締めくくりました。

平手さん:

リーダーとして心掛けた事は、「リーダーが主役になるのはやめよう」という事です。プロジェクトメンバーひとりひとりが先頭に立ち、それぞれの方が主役となって走れるような体制にしたかったので、早い段階で担当を手挙げ制で決めました。手挙げで担当を決めた事もあったのかもしれませんが、担当が決まった瞬間、プロジェクト全体が加速し自走し始めた感じがします。本当に「任せて良かった」と思います。
今後も若い方々が現場で抱えている課題や成し遂げたい事を具体的に取り組める環境を作っていきたいと思います。今回はボトムアップ型のプロジェクトが進められた良い一例になったと思いますので、この様な活動や仕事の進め方がどんどん増えていくようにしていきたいです。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

  • 組織名や所属、肩書、業務内容、商品情報等を含むすべての記載内容は、各取材及び執筆時点のものです。

他の『AGF®で働く人たち』コラムを見る