AGF®ストーリー

人と社会の未来のために

「環境にいいことをもっと身近に」
大分県の環境活動と「ブレンディ®」ザリットル

執筆:2022年9月

読了目安:約7分

 大分県庁に設置された「うつくし作戦推進課」は環境保全活動を通して地域の活性化を図る「おおいたうつくし作戦」を展開し、地球温暖化対策や環境教育などを進めてきました。

 この大分県の取り組みに賛同した味の素AGF九州支社は、県民の暮らしに根ざしたプラごみ削減のアピールを一緒に行うことで「県内の環境への関心をもっと盛り上げていければ」と動きはじめます。

大分県の「県民実行型」の環境活動

 まず、大分県の環境保全活動についてご紹介します。

 大分県では2003年から「ごみゼロおおいた作戦」が取り組まれてきましたが、その成果をベースに2016年より「おおいたうつくし作戦」へとステップアップ。「まちづくり(地域の活性化)」「ひとづくり(人材の育成)」「なかまづくり(持続可能な活動の基盤づくり)」の3つのアクションにより、環境保全に対する県民意識の向上をはかるとともに、持続可能で住みやすい地域づくりが進められてきました。

「おおいたうつくし作戦」は、行政主導の活動に県民が参加するのではなく、県民一人ひとりが主体的に取り組む「県民実行型」の活動であることが大きな特色です。

大分県が掲げる環境分野全般の取組コンセプト(出典:大分県HP)

想いを伝え、環境保全活動を盛り上げていきたい

 「ブレンディ®」ザリットルという商品で、県内の環境保全活動を盛り上げることはできないだろうか?………そう思いついたのは味の素AGF 九州支社の福田さんでした。

「想いを込めて開発した商品をお客さまにお届けしたい」と語る福田さん

開発時のエピソードは、以下のリンクよりご覧ください。

プラ使用量削減だけでなく、お客さまの生活の課題にも耳を傾ける
~「ブレンディ®」ザリットルの開発ストーリー~

 それは2022年1月、おりしも3月にザリットルの新しい3品種の発売が目前に控えていた時期でした。

 福田さんは、さっそく「うつくし作戦推進課」に出向き、ペットボトル・プラごみ削減を大きな特色とする「ブレンディ®」ザリットルの商品コンセプトと味の素AGFが掲げるASV(Ajinomoto Group Shared Value=事業を通じて社会課題の解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創造する)の考え方について職員の方々にプレゼンテーションしました。

福田さん:

 プレゼンテーションの場での意見交換を通して、双方のプラごみに対する問題意識が重なること、そして大分県がさらなる県民の意識向上という課題に直面し、私たちがその解決に協力できることを確認しました。

 こうして福田さんたちは独自の販促ツールを制作するなど、大分県での「ブレンディ®」ザリットルの販促活動を通した「脱プラ」の啓発活動を展開していきます。

 そして県内に23店舗を展開するスーパーマーケットチェーン「トキハインダストリー」とも連携。6月11日に同チェーンの大型店舗「わさだタウンスーパーマーケット」にて、「ブレンディ®」ザリットルが試飲できる「脱プラ」をテーマにした店頭イベントを開催しました。

「わさだタウンスーパーマーケット」にて、イベント開催時の店頭ディスプレイ

 試飲イベントにはうつくし作戦推進課職員の方も参加し、来場者に大分県が作成した「脱プラ」に関するアンケート調査を実施。回答していただいた方々にはエコバッグをプレゼントしました。また、イベント会場には県立大分商業高校と同大分工業高校が共同制作したダストボックスを会場に設置し、九州ごみ減量化推進協議会制作のプラスティックごみ削減に関する啓発ビデオを上映するなど地域に根ざした「脱プラ」イベントになりました。

足を止めてくださったお客さまにサンプルのご提案をする様子

大分県庁うつくし作戦推進課 佐藤さん:

 試飲イベントは県民の皆さまから日常のごみ削減や脱プラの取り組みを直接聞くことができた貴重な機会となりました。「どうすればプラごみを削減出来ると思うか?」という問いに対して「今日試飲したような商品(「ブレンディ®」ザリットル)が増えれば、自ずと環境問題は解決するのでは」とお答えになった方もいらっしゃいました。

 また、10月には毎年大分県のうつくし作戦推進課が行っている「おおいたうつくし感謝祭」が開催され、味の素AGFも出展することになりました。この感謝祭は、環境保全の大切さに気づく機会となることを目的として、環境について楽しみながら学び、考えるイベントとして2016年から行われています。

福田さん:

 このイベントの主な出展団体は、県内の企業や県内に事業所や支社支店を置く企業です。出展にあたっては、全国メーカーである味の素AGFがいかに大分県民の方に受け入れてもらえるかを考え、これまで当社が行ってきた「地域に好まれる味」を追求した商品開発などの地域密着に取り組んできたことを展示することにしました。

「おおいたうつくし感謝祭」で提供した試飲は約500杯

 福田さんら味の素AGF九州支社のメンバーは、こうしたイベントを通じてお客さまの声や反応に直接触れ、モチベーションや新たなチャレンジにつながっているようです。

福田さん:

 今回の大分県との取り組みを通じて、環境保全に貢献する商品を世の中に届けているという手応えを感じています。商品を売るだけに終わらず、地域と結びつきながら、「ブレンディ®」ザリットルの美味しさと味の素AGFの環境保全へのメッセージを一人でも多くの方に知っていただきたいです。

日本全国で自治体との連携プロジェクトを!

 味の素AGFはこれまで全国38都道府県との環境保全や健康をテーマにした連携プロジェクトを展開してきました。商品の営業企画を担当する営業推進部の長山さんと当時担当だった若林さんは、大分県との取り組みは理想的な形であったと考えています。

地域それぞれの特徴や課題に合った商品開発を目指していると語る若林さん(左)、長山さん(右)

若林さん:

 数々の自治体との連携の中で、私たちは行政が住民に環境保全の取り組みやメッセージを十分に伝えきれない悩みを抱えていることを感じ取っていました。大分県としては生活者に近い私たち食品メーカーとのタッグを組むことで、プラごみ削減などのメッセージが浸透しやすくなることを期待されていると思います。マイボトルに注目が集まる昨今、ペットボトルごみを削減できる「ブレンディ®」ザリットルは、商品そのものがメッセージ。その点も評価されているのでしょう。

 都道府県との連携においては、地域特性やニーズによって連携の形はさまざまです。「ブレンディ®」ザリットルという商品を通して将来的には全国47都道府県と連携プロジェクトを進めていくことが一つの目標となっています。

長山さん:

 自治体との連携においては若手社員から支社長まで、それぞれに活動の場があります。もちろん私たち営業推進部やサステナビリティ推進部なども加わり、今後とも味の素AGFの総合力で行政との連携を進めていくことが重要だと考えています。

  • 組織名や所属、肩書、業務内容、商品情報等を含むすべての記載内容は、各取材及び執筆時点のものです。

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