AGF®ストーリー
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「ちょっと贅沢な珈琲店®」レギュラー・コーヒー
地元ブレンドシリーズの誕生物語
~地元で好まれるコーヒーの味を探る~
執筆:2024年4月
読了目安:約5分
味の素AGF(株)(以下、味の素AGF)が展開するブランド「ちょっと贅沢な珈琲店®」レギュラー・コーヒーには、地域ごとの嗜好や特性に合わせ開発したオリジナル商品で地元ブレンドシリーズというラインアップがあります。今回は、「地元で好まれるコーヒーの味わい」を追究するために奔走した営業担当者や企画・開発担当者の想いに迫ります。
地域をよく知る人たちの意見を取り入れ開発始動
地元ブレンドの開発が始まったのは、営業担当者がお取引先から聞いた「九州では苦味が少なくまろやかで、少し酸味のあるコーヒーが好まれる」という言葉がきっかけでした。
この時のやり取りが強く印象に残っていた九州支社の営業担当者は、改めて地元で人気の喫茶店を回ってみたり、自社が定期的に調査する全国各地の売れ筋などのデータを参照したりしてみました。すると実際に九州ではまろやかな風味のものが好まれていたり、売れ筋となったりする傾向にあることが分かりました。
このような結果をもとに、九州の人が好むブレンドを求めて開発がスタートしたのです。
しかし『地元で好まれる味わい』と一言で言っても、そうシンプルなものではありません。その地域で好まれている味の傾向はどうか。また一括りに九州といってもカフェオレを好む地域もあれば、ブラックコーヒーを好む地域もある。こうした課題が見えてくる中で、開発段階から営業担当のメンバーが携わる体制を敷くことになりました。
企画開発に携わったコンシューマービジネス部の松田さんは、「地域のお客さまに近いところにいる営業グループの協力が不可欠だった」と立ち上げ当時を振り返ります。
企画段階から営業グループが参加する異例の体制
当然、商品の開発期間は通常よりも長くなりましたが、それぞれの部門が連携しながら、地元で人気のカフェや小売店を巡るなどして、根気強い調査を行いました。その後は試作や試飲をしては、意見を出し合うことを繰り返し、着実に開発を進めていきました。
そして2018年、ついに地元ブレンドの第1号《「ちょっと贅沢な珈琲店®」レギュラー・コーヒー 九州まろやかブレンド》が発売。営業グループが開発段階から携わるという異例の商品ということもあり、いつも以上に熱のこもった営業活動も後押しして大成功を収めました。その当時のことを九州支社の奥さんは次のように語ります。
奥さん:
開発に携わった当事者としてエピソードを話せるのは、営業にとっては大きな強みです。当時、製品の内容量を、通常の「ちょっと贅沢な珈琲店®」レギュラー・コーヒー スペシャル・ブレンドと同じグラム数にするのか、それよりも20g少ない量にして通常より良い豆を使うか、開発メンバーの間で議論になったことがありました。レギュラーコーヒーにとって20gという量の変化は大きな違いとなります。本来、営業の立場からすれば内容量が多い方が売りやすい。でも今回は内容量を減らしてでも、良い豆を使いたいという意見が勝りました。
「自分達の想いを自分達の言葉で伝えれば、きっとお客様にも響くはず」という気持ちもあったので、お取引先への提案にも気合いが入りました。
九州での成功を契機に各地に広がる地元ブレンドシリーズの開発
〈九州まろやかブレンド〉で好感触を掴んだ開発チームは、次に東北ブレンドの開発に着手しました。ここでも営業グループのメンバーと協力しながら味わいやパッケージデザインなどを決めていきました。
「九州だから成功したのではないか」という懐疑的な意見も一部ではあったそうですが、 2019年に〈東北コクゆたかブレンド〉が発売されると売れ行きは好調で、東北でも受け入れられることが分かりました。
九州と東北での実績が社内で知られるようになると、他のエリアでも取り組みたいという声が上がり、その結果、全国各地での地元ブレンドの開発がスタートしました。現在では8つの地元ブレンドが展開されています。
地域をどのように分けるかという点にもチャレンジがあったと、コンシューマービジネス部の木村さんは語ります。
木村さん:
たとえば関東として一括りにしてしまうと、味の好みをまとめるのは相当困難です。特に東京などは地方出身者も多いことから、好みにもばらつきがありすぎるので、比較的、味の好みのまとまりが良い北関東ブレンドになりました。他にも北陸信越の信越は甲信越でまとめるべきかなど、エリアを分ける際にもいろいろな検討を重ねました。こういう場面でも消費者調査のデータだけでなく、営業グループの意見が参考になり、良い形になっていったと思います。
お客さまに寄り添うコーヒーメーカーでありたい
味の素AGFでは、さまざまな地域・世代・環境のお客さまに楽しんでいただけるコーヒーづくりを目指しています。新たな取り組みにチャレンジすることは、ときに課題に直面することもありますが、部門を超えた連携やお客さま・お取引先の声をよく聴くことで乗り越えていきたいと考えています。
お客さまにもブランドにより愛着を感じていただけるよう、これからも多様な視点から新しい価値を実感いただける製品開発を進めていきたいと思います。
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